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「会社は自分の実力を計れる場所。今までの経験が自信に変わりました。」

★吉岡裕次さん(34歳/大阪市平野区・松野工業株式会社ホビー事業部勤務)

毎日を淡々と送っているようにみえて、実は頭の中は仕事のことでいっぱい。それを上司が認めているから、やり甲斐もいっぱい。「辞めることなんて考えたこともありません」と言い切るポジティブシンキング。派遣から正社員へ、次代を担う年齢とキャリア。結局、いい人材は企業にとって限りなくウェルカムなのでしょう。

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◆発注が途絶えない「忙しい会社」

松野工業株式会社創業は1947年。パチンコの原型ともいわれる昭和のレトロゲーム・スマートボールで使用するガラス玉の製造が最初でした。娯楽が少なかった戦後間もない当時、降って湧いたようなスマートボール特需。その後、本格的にガラスメーカーとしてビー玉やビーズなどの製造にも着手し、高い国内シェアを誇るまでに成長してきたレジェンド企業でもあります。

新たな注目を集めているのが女性向けインテリア・生活雑貨の製造販売。小売店や専門店だけでなく全国のセレクトショップでもブランドが確立されています。ヒット商品は数知れず。宮崎の工場に、24時間稼働のガラス溶解炉を所有しているのも大きな強みです。

繁忙期のピークは、何といってもハロウィンやクリスマス。夏真っ盛りではありますが、そろそろハロウィンに向けて受注が始まります。そうこうしているうちに、クリスマスも。

「ここで働き始めた時は、なんて忙しい会社なんだろうってビックリしました(笑)」。所属するホビー事業部こそ、最も小売店に近い存在。出荷業務中心がゆえに、忙しくて当たり前。発注があれば待ったなし。約50人が所属する事業部の中ではまだまだ若手ではありますが、話を聞くと職場環境は良好で、かなり居心地がよさそうです。

◆やさしいスタッフがいたからこそ

通勤は大阪市内の自宅から自転車で20分。途中、大和川に架かる高野大橋を渡り、生駒~信貴~二上~葛城~金剛といった山々を左手に眺めながらの快適通勤。さぞかし心地よいコースかと思いきや、「冬はめっちゃ寒いんですよ~(笑)」と、肩をすくめながら表情豊かに話す明るいキャラクターに好感が持てます。色白でやや小柄。何となく皮下脂肪も少なさそうで、根っからの寒がりさんかも知れません。

職場は工場内の出荷部門。女性スタッフによるピッキング作業が終わった商品をチェックしながら、ダンボールに素早く梱包。みるみるうちに、その日の出荷を待つ多くの商品が積み上げられていきます。印象的なのは、人の動きも時間の流れもスピーディーですがピリピリと尖った空気はありません。何より、スタッフの笑顔が職場を和ます潤滑油になっているのでしょうか。「派遣スタッフとしてこの会社にきた時からそう思っていました、みんなやさしい人ばかりだな、と。わからないことがあってもみなさん親切に教えてくださるので、仕事がきついという実感もありませんでした。しいていえば、寒がりだから冬がちょっと苦手なことぐらいですかね(笑)」。やっぱりそうきましたか。最近は工場内の空調が大幅に改善され、その心配もなくなりました。「はい、本当によかったです(笑)」。

◆会社創立70年を機に正式採用

2人兄弟の次男。実家はハウスクリーニング業を経営していましたが、不況の影響もあり決して楽な生活ではありませんでした。「兄はすでに別の仕事をしていたので頼るわけにいかず、自分が何とかしないといけないと思いました」。早速人材派遣会社に登録。仕事内容は不問。目的はズバリ家計を助けること。とりあえず収入が必要でした。

配送センターに届いた荷物をテナントに届ける仕事や、工場で携帯電話のディスプレイの組立作業、変わったところでは大阪ミナミのアメリカ村でちょっとした売り子などなど。そのほか、カーディーラーで洗車業務に携わったり、冷凍倉庫で梱包作業に従事したり。それって結構体に堪えたのでは?「はい、まだまだ根性が足りないと思いました(笑)」。気がつけば30代に突入。目先の収入も大事ですが、自身の将来も気になり始めていました。

2014年6月。現在の会社との出会い。派遣とはいえ、どんなことをやっている会社か調べました?「ああ、そういうことはしなかったです」。自分が梱包している中身を知りたくなかった?「ん~、気にしたこともなかったです(笑)」。

3年を経過し派遣業務も契約満了となり、上司の強い勧めもあって正社員に。「うれしかったです。これでまた一歩前進したと思いました」。奇しくも、会社が創立70周年を迎えた記念すべき年の正式採用でもありました。

◆次代を担っていく人材に求めること

上司いわく、「彼のよいところは、単に梱包作業をこなしているだけでなく、ほかのセクションとの連携や作業効率を常に考えて仕事をしている点にあります」。月に1度の全体ミーティングでも積極的に意見を言えるようになりました。これからは30代が中心にならないといけない時代。入社後5年が経過し、成長の証として周囲への気配りもできるようになりました。「うちの商品が多くのショップで売られていることに誇りを感じます。お客さんが買っているのをみるとうれしさ倍増です(笑)」。そんなトレンドに自分も関わっているのだという自信とプライドも備わり、「この会社でよかったと本当に思います」。

働くとは?「生き甲斐ですかね。そして、会社は自分の実力を計れる場所だと思います。これからも、みんなが楽しく仕事ができる職場であって欲しいと思います」。実家を助けるために選んだワークスタイル。今しっかりと働く喜びを感じつつ、社会貢献への手応えも感じています。これまで多くの仕事を経験してきたことは、決して無駄ではありませんでした。

交際中の彼女も、今やMATSUNOブランドのファンなのだそう。そんな彼女と最近観た映画はスパイダーマンシリーズの最新作。職場で機敏に動きながら仕事脳を駆使してテキパキと仕事をこなす姿は、スパイダーマンそのものでした。

(取材・構成/池田厚司)