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人との繋がりを大切にしたい。人のために働く喜び

不破正俊さん (埼玉県比企郡 / 40歳・株式会社Yasu corporation勤務)

仕事の合間に、たわいない話が出来ることが、この会社の良いところ。穏やかな表情でそう話してくれたのは、入社14年目の不破正俊さん。Yasu corporation(ヤス コーポレーション)でダイレクトメールの製造、管理に従事され、忙しい日々を過ごしています。今回は、そんな不破さんに、入社当時から現在までを振り返って頂きました。優しい雰囲気をそのままに、言葉の節々には人との繋がりを大切にされてきた、不破さんらしい生き方がありました。

 

◆飾らない人柄と実直さ

現在は、加工部の総務係長として、主にダイレクトメールの管理、運搬などを任されている不破さん。中間管理職として様々な責務を果たし、会社になくてはならない存在です。しかしそんな不破さんも、以前勤めていた会社では、苦労が耐えなかったそうです。特殊な機械の技術者として、日々お客様に接していた当時、立場上、完璧に機械を把握していなければなりませんでしたが、それには大変苦労したのだとか。毎日上司にこっぴどく叱られ、気が付けば会社に行くのも嫌になってしまったほど。「本当に辛かったです。正社員として5年勤めたんですけど、5年目でようやく自分が機械オンチだってことに気づいたんです。(笑)」誠実さの中にユーモアを交えて話す姿に、不破さんの人柄を垣間みることができました。

 

◆導かれるままに

実は不破さん、今の会社に勤めることができたのは、奥様のお陰なんだとか。

当時、派遣先は違っていましたが、お互い派遣社員をしていたという、お2人。たまたまその時Yasu corporationに派遣されていたのが奥様で、不破さんのことを話したところ、面接をしてくれることになったそうです。最初は断ろうとした不破さん、前の会社を辞めてから派遣暮らしが長かったのが気がかりでした。しかし奥様の後押しもあって、ダメ元で受けた結果は採用。「素直に嬉しかったです、妻も親も喜んでくれましたから。」ただそんな思いとは裏腹に、久々の正社員…自身に務まるのかと、不安もよぎりました。「ただもう、進むしか無い。」この時不破さんは、自分のためではなく、自分を支えてくれた人たちのために働こうと決めたそうです。

 

◆新たな出会いに触れて

仕事が始まってまず最初に感じたことは、楽しいという事。以前の職場では日々部屋に籠り、機械と睨めっこばかりしていた不破さん。そのため、資材を運んだり、時間との戦いだったり、体力勝負を持ち合わせたこの仕事が、何よりも新鮮だったそうです。

さらに不破さんを刺激したのはフォークリフト。無駄の無い動きで小回りを利かせ、円滑にそして正確に資材を積み上げて行く先輩の技術に、当時は気が付けば見とれていたのだとか。「すごく難しいんです。パレットにフォークを射し込んで持ち上げるんですが、その感覚がなかなか掴めない。」先輩方はいとも簡単にやっていたそうですが、商品を傷つけてはいけないという思いが、より作業を慎重にさせました。足を引っ張りたくない…速くコツを掴みたいと、先輩方にアドバイスも求めました。丁寧に分かり易く教えて貰いましたが、結局最後は本人の感覚。習得するまでにはそれなりの時間を要し、迷惑も掛けました。しかしこの時、怒られながらも愛あるアドバイスを貰えたことが、不破さんは嬉しかったそうです。「怒られた感覚が違うんです。」もし前の会社でもこの感覚を感じられていたら、辞めていなかったかもしれません。笑顔で話す不破さんの表情が印象的でした。

 

◆原点の一日

不破さんには忘れられない一日があります。それは、ようやく仕事にも慣れ、自信がついて来た頃のことでした。その日は発注が重なり数十万というダイレクトメールを捌かねばなりませんでした。顧客情報の打ち込み、大量の資材の運搬、捌いても、捌いても全く終わりが見えません。終業時間になっても、パレットには大量の材料が残っています。「どうするんだろう…」当時、重責ある役職ではなかったにしろ、心配になるほどでした。時間が経つにつれ焦りを覚える不破さん…しかしそんな心配をよそに、そこには飄々と、そして的確に指示を出す上司の姿がありました。「全く焦りを感じなかったんです。」今でもあの日の上司の姿を、今の自分と重ねることがあるそうです。自分は近づくことが出来ているのか?見識の広さ、経験、そして言葉の重み…そう語る不破さんの言葉には、上司への尊敬の念が込められていました。

 

◆伝えるということ

入社して14年、気が付けば部下もいます。言われたことをやれば良い若い時とは違い、指導する立場にもなってきました。しかし性格的に教えるのは、大の苦手…このことで今まで以上に、上司の存在の大きさを感じているそうです。先輩方の教えを大切にして来た不破さん、今でも身体にしみ込んでいます。今度はその教えを後輩たちに伝えて行かなければなりません。もどかしさも感じます、教えるのが億劫になって、いけないと分かっていても自分でやってしまう事もあるそうです。さらに今の立場になったからこそ理解できることも多くなりました。不破さんは言います「直属の上司には楽して貰いたい。」そのためには、後輩たちに仕事を伝えていかなければなりません。

 

◆人との繋がり

今の自分があるのは、周りの支えが合ってこそ。若い時、自分のために頑張れなかったという不破さん。今では奥様やお子さん、そして上司のために働くことが楽しいそうです。「働くことは当たり前。」その先にある幸せを掴むのが当面の目標です。

ここまで来るには様々なことがありました。仕事での挫折、派遣社員も経験しました。しかしその紆余曲折があったことで、たくさんの人に出会いました。

不破さんの財産です。

最後に不破さんは言いました。いろいろな人に支えられているからこそ「こいつがいた方がいい。こいつがいないと困る人になりたい」と。最後まで他人ファーストな不破さんの生き方に、人としてのあるべき姿を感じることが出来ました。

 

(取材・構成 内藤英一)